5月に競技生活からの引退を発表した村元哉中さん・高橋大輔さんがAERAに登場。3シーズンという短い期間を一足飛びに駆け上がった2人。競技生活にピリオドを打ったのも束の間、次のステージへと動き出している。AERA 2023年6月19日号の記事を紹介する。
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アイスダンスの世界にたしかな存在感を示し引退を発表した村元哉中と高橋大輔。撮影スタジオの控室から姿を現した2人は、「こうしようか?」と互いに言葉を交わして打ち合わせながら、凛とした表情で、あるいは柔らかさを含ませつつカメラの前で次々にポーズを決めていく。その途中で高橋がふとつぶやいた。
「1年前は撮影に慣れてなくて」
2022年、本誌の表紙に登場したときを振り返っての言葉だったが、堂々とした今の2人からすると思いがけない言葉だった。
「あのときはコロナもあったしアメリカにも行っていたから、こういう撮影もなかったので」と笑う。その1年での違いも、3シーズンという短い中で一足飛びに駆け上がってきた2人の時間を思わせた。
村元はこう語る。
「世界選手権と世界国別対抗戦でこれ以上の幸せな終わり方はないと自信を持って言えるくらいの締めくくり方だったので、引退を発表したときにはすごいすっきりしていたというか、次のステージが楽しみで仕方がない感じでした」
高橋もまたこう語る。
「自分もある意味、もう進んではいたというか、世界国別対抗戦が終わった時点で次に進んでたと思います」
その後もアイスショーやスケート教室などが相次ぎ「忙しすぎて」(高橋)、引退した実感が今もないという。
「これから(拠点としていた)アメリカに行って荷物の整理をして、そうしたら実感するかもしれないですね」(高橋)
でも多忙であるのは変わらない。ここからもアイスショーへの出演が続き、8月25日には恒例の「フレンズオンアイス」開幕を迎える。
「今週、新しいショーナンバーもできたんですよ」と高橋が笑顔を見せる。
これからもきっと、2人は新しい世界を示していくだろう。(ライター・松原孝臣)
※AERA 2023年6月19日号