おもちゃ部屋はいつもモノが散乱して1番の難関でした/ビフォー
おもちゃ部屋はいつもモノが散乱して1番の難関でした/ビフォー
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 5000件に及ぶ片づけ相談の経験と心理学をもとに作り上げたオリジナルメソッドで、汚部屋に悩む女性たちの「片づけの習慣化」をサポートする西崎彩智(にしざき・さち)さん。募集のたびに満員御礼の講座「家庭力アッププロジェクト®」を主宰する彼女が、片づけられない女性たちのヨモヤマ話や奮闘記を交えながら、リバウンドしない片づけの考え方をお伝えします。

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case.46  片づけを通して深まった夫婦の絆

夫+子ども2人/不動産関係

 苦手なことはやりたくない。避けて通れるなら避け続ければいい。そう思う人は多いかもしれません。でも、避け続けた結果はどうなるのでしょう?

 今回ご紹介する千惠さんは、物心ついた頃から片づけが苦手でした。片づけ上手な母親の元で、いつもきれいな実家で育ったにも関わらず、一人暮らしをしても結婚しても、ずっと家は散らかっていることが当たり前。母親からも夫からも「片づけが苦手だよね」と言われ続けても、散らかっていることは気になりませんでした。

「自分の中で、“苦手なことはしなくてもいい”っていう感覚でした。だから、家が散らかっていても私は困ることはなかったです」

 そう話す千惠さんは、4歳の息子と1歳の娘のママ。夫と子どもたちの4人で暮らす家の中は、いつも床におもちゃが散乱していました。

 千惠さんは平気でも、夫は散らかった家に不満を持っています。夫はもともと片づけができる人で、時間があるときに一気に家の中を片づけてくれていました。でも、千惠さんが育休に入ると家事をすべてまかせて片づけもしなくなってしまい、家の中は荒れる一方。

「小さなケンカが増えて、家族の雰囲気が悪くなってしまって。私は、おいしいごはんが食卓にあれば家庭は円満でいられると思い、料理だけは手を抜かず毎日ちゃんと作っていました。それなのになぜかケンカが絶えなかった。そこで『あれ?違うかな?』と気づいたんです」

 ケンカの原因は、主に家が散らかっていること。今まで目をつぶってきた苦手な片づけと、ちゃんと向き合う決心をしました。

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夫の発言が高圧的に聞こえた