巨人・戸郷翔征
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 2023年のプロ野球は交流戦が終了し、リーグ戦再開とともに本格的な“夏の戦い”に突入する。投手陣、特にリリーフ陣に疲労が蓄積する時期であるだけに、抜群の安定感と信頼を持ち、時には1人で1試合を投げ切ることができる「エース」の存在が重要となってくるが、仮に今、各チームの「エース」を挙げるとしたら誰になるのだろうか。セ・パ12球団の「エース」たちを検証したい。(※成績は6月22日終了時点)

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■阪神

 現在、セ・リーグの首位を走る阪神のエースは、青柳晃洋だ。2年連続で最多勝&最高勝率、さらに昨季は最優秀防御率のタイトルを獲得した29歳右腕の能力に疑いの余地はない。だが、今季は開幕から不振が続いて7試合で2勝3敗、防御率5.63の成績で5月20日に登録抹消となって二軍調整中。それでもチームが首位に立っているのは、大竹耕太郎(6勝1敗、防御率1.13)、村上頌樹(5勝3敗、防御率1.75)、才木浩人(5勝3敗、防御率1.41)の3人が“エース級”の働きをしているから。それでもやはり、優勝のためには「エース・青柳」の力が必要だ。

■DeNA

 2位につけるDeNAのエースは、文句なしで今永昇太だ。今春のWBCにも出場した大卒8年目の左腕。ルーキー時代から結果を残し続けるとともに、コメント力に優れて“投げる哲学者”とも呼ばれ、年齢を重ねた現在はチームの精神的支柱となっている。昨季は11勝4敗、防御率2.26の好成績をマークするとともに、6月7日には球団52年ぶりとなるノーヒット・ノーランも達成。今季も8試合で4勝1敗、防御率2.78と好投を続けており、今後の夏以降の戦い、優勝争いの中で頼れる存在になる。

■巨人

“盟主”巨人のエースは長年、菅野智之だった。プロ1年目の2013年から2020年までの8年間で2ケタ勝利を7度マーク。2017、18年には2年連続で沢村賞を受賞した右腕は、球界のエースと言える存在だった。だが、年齢的な衰えから近年はストレートの威力低下を隠せず、33歳で迎えた今季は二軍調整が続いた後に6月に2試合で先発して1勝1敗、防御率2.45も再び登録抹消となった。成績だけを見ると、今季8勝1敗、防御率2.45の戸郷翔征が、新エースとして相応しい。エース交代のシーズンになるか。

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