■ソフトバンク
長く絶対的エースの座に君臨していた千賀滉大が昨年オフにメジャーへ移籍し、実質的にエースと呼べる投手はいない。候補としては、今季開幕投手を務めた25歳の大関友久(今季9試合4勝4敗、防御率2.21)、昨季ノーヒット・ノーランを達成した33歳の東浜巨(今季10試合5勝5敗、防御率3.68)、今季先発に転向した26歳の藤井皓哉(今季9試合5勝3敗、防御率2.35)などの名前が挙がるが、いずれもエースと呼ぶには信頼度が足りない。チーム一丸の中、夏場以降の投球に期待だ。
■ロッテ
もうエースと呼んでいいだろう。ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)優勝に貢献した迎えた今季、9試合に先発して5勝2敗、防御率1.89の佐々木朗希が、ロッテのエースだ。高卒3年目だった昨シーズンは20試合に先発し、完全試合を含む9勝4敗、防御率2.02の成績を残すと、今季もここまで9試合に先発して5勝2敗、防御率1.89の好成績を残している。さらに、まだ底を見せていないという点も見逃せない。ただ、今季も右手中指のマメの影響で離脱。そして、まだ「故障を避けること」を第一優先にされている状況ではある。真のエースと呼ばれるためには、チームのためにシーズンフル回転はしてもらいたい。
■日本ハム
新庄剛志監督2年目のシーズンで奮闘を続けている日本ハムのエースは、高卒12年目の29歳、上沢直之だ。一軍デビューを果たした2014年に8勝を挙げた後、右肘手術を経て2018年に11勝6敗、防御率3.16、さらに打球直撃での左膝蓋骨骨折を乗り越えて2021年に12勝6敗、防御率2.81の好成績をおさめた。不死鳥のように蘇りながら年俸1億円プレイヤーの仲間入りを果たし、自然とエースと呼ばれるようになった。だが、その上沢も今オフのポスティングでのメジャー移籍希望を球団に伝達している。近い将来、エースの座は伊藤大海が引き継ぐことになるだろう。