先発陣は大谷を除けば防御率4点以上の投手ばかり。昨季にノーヒットノーランを達成した若手左腕リード・デトマーズは12試合(以下、成績は全て現地6月18日終了時点)に先発して1勝どまりで、オフに補強したベテラン左腕タイラー・アンダーソンは4勝1敗ながら防御率5点台後半と頼りない。ホセ・スアレスの故障離脱でバリアが6人目の先発に回る現状も決して望ましいものではない。

 つまり投手陣の補強ポイントはリリーフ左腕と、バリアをブルペンに固定するための先発投手ということになる。

 では打撃陣はどうか。こちらの補強ポイントは明確で、レギュラー格のジャレド・ウォルシュが打率1割台と極度の不振にあえいでいる一塁手だ。さらに言えば、内野陣はここ数日で遊撃のザック・ネト、ユーティリティーのジオ・ウルシェラが相次いで負傷者リスト入り。三塁のアンソニー・レンドンも左手首への死球の影響が懸念されるなど一気に層が薄くなってしまった。

 二遊間や三塁はブランドン・ドゥルーリーやルイス・レンヒーフォらでやりくりは可能と見るならば、テコ入れするべきは一塁を守れるスラッガーだろう。

 次にチェックすべきは、現実問題として誰が移籍市場に出てきそうなのか。現時点でプレーオフ進出が厳しそうな球団で、草刈り場として注目を集めているのはカージナルスとホワイトソックスだ。どちらもコンテンダーとして勝負をかけながら今季は下位に低迷しており、トレード期限前に主力の大量放出が十分にあり得る。さらに付け加えるならばタイガース、ロイヤルズ、カブスあたりまでだろうか。

 特にホワイトソックスは先発投手陣からルーカス・ジオリト、ディラン・シース、打者ではティム・アンダーソン遊撃手やヤスマニ・グランダル捕手など有力な放出候補が目白押し。特にエンゼルスの補強ポイントと合致しそうなのは先発投手だろう。

 今オフにフリーエージェントとなるジオリトはチームが低迷する中でもしっかりローテを守って防御率3点台半ばとさすがの安定ぶり。一方、シースはサイ・ヤング賞投票2位だった昨季ほどの勢いはなく、球速や制球力の低下がみられる。ただし25年まで契約を残すうえに27歳の若さが魅力で、ジオリトに比べれば放出確率は低いものの、見合うだけのリターンを用意されればホワイトソックスが出す可能性はゼロではなさそうだ。

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打者で狙うとしたら…