エンゼルス・大谷翔平
エンゼルス・大谷翔平

 今季のMLBも恒例のトレード期限まで約1カ月余り。そろそろ「買い手」と「売り手」がはっきりしだす時期だ。今季がエンゼルスとの契約最終年ということで昨シーズンから去就が注目されている大谷翔平選手を取り巻く状況はどうなっているのだろうか。

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 まずエンゼルスの現状から確認しよう。筆者はこの原稿を書くにあたって、現地6月9日から始まるマリナーズ3連戦とレンジャーズ4連戦が終わるのを待っていた。なぜならこの7連戦以降は8月1日のトレード期限まで同じア・リーグ西地区の球団との対戦がなく、ここでの結果でエンゼルスが「買い手」か「売り手」かが見えてくると考えていたからだ。

 その運命の7連戦で、エンゼルスはマリナーズに2勝1敗、レンジャーズには3勝1敗といずれも勝ち越した。この結果、6月15日終了時点でエンゼルスは39勝32敗。首位レンジャーズとは4.5ゲーム差、ワイルドカード争い3位のヤンキースとは1ゲーム差となった。これは十分にプレーオフ進出を狙える圏内と言っていい。

 またこの連戦中には、エンゼルスのアート・モレノ・オーナーとジョン・カルビーノ球団社長が大谷の今季中の放出をあらためて否定したとの報道も。この時点でエンゼルスの天秤は大きく「買い手」側に傾いたと断言して差し支えないだろう。

 となれば、注目ポイントは「大谷の放出先」ではなく「エンゼルスが誰を獲得するか」となる。ここからはエンゼルスの補強ポイントと獲得候補を見ていくとしよう。

 昨季までは散々「補強しろ!」と言われ続けていたブルペンは、今季はかなり安定している。特に新守護神のカルロス・エステベスが機能しているのが大きく、クリス・デベンスキーやハイメ・バリア、ジェイコブ・ウェブらもいい仕事を続けている。ただし貴重な左腕のマット・ムーアが故障離脱、期待の豪腕ベン・ジョイスもわずか5試合で負傷し、バリアも最近は駒不足の先発陣の穴埋めに駆り出されがちと不安材料はある。

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エンゼルスの補強ポイントは?