さらなる成長が期待されるプロ7年目の阪神・才木浩人
さらなる成長が期待されるプロ7年目の阪神・才木浩人

 2005年以来のリーグ優勝に向けて順調にセ・リーグ首位を走る阪神。中でもその原動力となっているのが強力な投手陣だ。チーム防御率2.77は12球団トップ(以下、文中の成績は全て6月8日終了時点)。しかも昨年まで2年連続で最多勝に輝いていた青柳晃洋は不振で二軍調整となっており、もう1人の柱である西勇輝も防御率4点台に沈んでいることを考えると、いかに層が厚いかがよく分かるだろう。

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 一つ大きいのはやはりドラフトで獲得した選手がしっかりと戦力になっているという点だ。ただ改めて振り返ってみると、上位指名した選手よりも、むしろ3位以下で指名した選手の特長を上手く伸ばしているという印象を受ける。エースとなった青柳もドラフト5位でのプロ入りであり、入団当初はコントロールも、投げる以外のプレーにも課題があったが、珍しい角度から放たれる力のあるストレートを磨いてリーグを代表する先発となった。

 また現在リリーフ陣の柱となっている岩崎優(2013年6位)も大学時代は140キロ程度のスピードしかなく、狙っていた球団は少なかったと言われているが、球持ちの長さを生かしてプロ入り後にストレートの威力が大きくアップしている。今年大ブレイクしている村上頌樹(2020年5位)も高校、大学ではストレートの力は物足りなかったものの、抜群の制球力を残したままスピードアップを果たした。

 また今後が楽しみなのがともに高校卒で、3位指名で入団した才木浩人と及川雅貴の2人だ。2人とも高校時代は素材の良さは抜群だったものの、粗い部分も多く、いわゆる“0か100か”というタイプの投手だったが、スケールの大きさを残したまま徐々にまとまりも出てきている。彼らのような素材型の高校生が成功すると、チームのドラフト戦略としても多少粗削りでもスケールの大きい選手に向かおうという方針を後押しすることもなり、チームの大型化にもつながっていく可能性は高い。及川と同期の西純矢や、さらに若い森木大智、門別啓人、茨木秀俊なども楽しみな素材であり、彼らが続くとチームの将来はさらに明るくなるだろう。

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西尾典文

西尾典文

西尾典文/1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究し、在学中から専門誌に寄稿を開始。修了後も主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間400試合以上を現場で取材し、AERA dot.、デイリー新潮、FRIDAYデジタル、スポーツナビ、BASEBALL KING、THE DIGEST、REAL SPORTSなどに記事を寄稿中。2017年からはスカイAのドラフト中継でも解説を務めている。ドラフト情報を発信する「プロアマ野球研究所(PABBlab)」でも毎日記事を配信中。

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「投手王国化」の理由は?