藤浪はアスレチックスとは単年契約を結び、今季の年俸は325万ドル(約4億2000万円)。さらに出来高もついており、先発登板の数が5、8、10試合に達すると、それぞれ10万ドル(約1350万円)、13、18試合到達で各15万ドル(約2030万円)が支払われるという。

「早々と今季5試合の先発を達成して10万ドルを手にした。出来高が絶妙なラインに設定されていることがわかる。メジャー40人枠から外すDFA(事実上の戦力外)ができないような期間を定めている可能性もあるだろう。ボラス氏なら朝飯前の仕事」(在米スポーツライター)

 だが、「投げたら失点をする投手」のままでは、今年1年をメジャーで過ごせるとは考えにくい。成績的なことだけを鑑みると戦力外の可能性も十分あり、今後の動きも気になるところだ。

「復活の可能性があればトレードも考えられるが、現状では厳しい。年俸の一部を負担してまで獲得に手を挙げる球団はないだろう。アスレチックスが年俸を支払いDFAにする可能性が最も高い。その後は藤浪の気持ち次第でプレーする場所を探すことになる」(大手マネージメント会社関係者)

「来季以降はメジャー契約できなければ、国内復帰も頭にあるはず。現実的な選手でもあるので状況は頭に入っている。筒香嘉智(レンジャーズ3A)のように、米国でのプレー続行しか考えていないわけではないだろう」(阪神担当記者)

 米球界は好景気で、可能性のある選手には先物買いに近い感覚で好条件が提示される。今季の藤浪は期待料も含めての契約内容だったが、現在の状況が続けば来季も同様のことは難しい。そうなると国内復帰も現実味を帯びてくる。

「有原航平がソフトバンクと契約を交わした例がある。米国で結果を出せなくても、今後の伸び代にかけて手を挙げる可能性はある。また藤浪のネームバリューは全国区だけに、人気面でも欲しい球団はあるかもしれない」(在京球団編成担当者)

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このまま行くと日本復帰が濃厚?