そんな事態に陥らないよう、部下が「自ら」変わっていくようにマネジメントしていく必要があります。

 なぜなら、人は変えられませんが、「自分自身なら」変えられるからです。

 したがって、マネジャーができることは、部下が自ら変わり、成長していくきっかけを創り出していくこと。

 これを、できるだけ覚えやすいカタチで言語化するのであれば、「支配」ではなく「支援」のマネジメント。

「私たちが部下にできることは、支援まで」という前提を心得ておきたいのです。

 これまで、マネジャーとしてのあなたの姿勢はどうだったでしょうか。

 この10年間、多くの管理職の方と関わってきましたが、話を伺っていると「どうにかして部下を変えてやろう、いや何としても変えなければ」といったスタンスで、マネジャー業務に従事している人が大半だったというのが実態です。

 一方で、その前提にあるものが決して支配欲だけではなく、善意によるものであることも同時に感じ取ってきました。

 だからこそ、どうかボタンの掛け違えをしてほしくないのです。

 善意の行き着く先が支配となり、逆に部下の自由を奪うような結末になってしまう……。そんな悲劇は、何としても避けなければなりません。

 どうか、次の言語化を大切にしてください。

 というより、もうこの1文は暗記して覚えてしまってください。

「部下を私の手で変えてやる」ではなく、「部下は自らの手で変わっていく」。

 このことをどうか信じて、マネジメントの前提に据えてほしいと思います。

●浅田すぐる(あさだ・すぐる)

「1枚」ワークス株式会社代表取締役。「1枚」アカデミアプリンシパル。動画学習コミュニティ「イチラボ」主宰。作家・社会人教育のプロフェッショナル。名古屋市出身。旭丘高校、立命館大学卒。在学時はカナダ・ブリティッシュ・コロンビア大学留学。トヨタ自動車(株)入社後、海外営業部門に従事。同社の「紙1枚」仕事術を修得・実践。米国勤務などを経験したのち、(株)グロービスへの転職を経て、2012年に独立。現在は社会人教育のフィールドで、ビジネスパーソンの学習を支援。著書に『トヨタで学んだ「紙1枚!」にまとめる技術』(サンマーク出版)、『早く読めて、忘れない、思考力が深まる 「紙1枚! 」読書法』(SBクリエイティブ) などがある。

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