ヤクルト・高津臣吾監督
ヤクルト・高津臣吾監督
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 7月2日に“史上最速”で優勝へのマジックナンバーを点灯させ、現在も2位の巨人に12.5ゲーム差をつけるなど、セ・リーグの首位を独走しているヤクルト。今シーズンは球団史上でも2度目のリーグ連覇と初の2年連続日本一への期待が高まっていたが、ここまでは想像をはるかに超える戦いぶりと言っていい。

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 振り返ってみると、これまでのヤクルトは優勝の翌年は苦戦を強いられることが多かった。昨年を除く7回の優勝のうち、5回までが翌年はBクラス。リーグ優勝4回、日本一3回の黄金時代を築いた野村克也監督の時代でも連覇は1992、93年の1度だけで、日本一翌年の1994、96、98年は軒並み4位に終わっている。その要因については、野村監督自身が著書などでたびたび触れている。

「一度優勝すると選手はもちろん、監督の気持ちも緩んでしまうものなのだ。それではダメだとわかってはいるのだが、どうしてもホッとしてしまう。連覇するためには前年以上の厳しさと努力が必要なのである」(『あぁ、監督──名将、奇将、珍将』角川書店)

 球団史上唯一のリーグ連覇を成し遂げ、15年ぶりの日本一に輝いた1993年の場合は、前年の日本シリーズで西武との死闘の末、3勝4敗で敗れたことがモチベーションとなっていたようだ。当時の主力で、現二軍監督の池山隆寛も「あの年は開幕前からみんな『日本一』が合言葉やったからね」と話していたことがある。

 それでは今年はどうか? 昨年はリーグ優勝のみならず日本一にまで上りつめていて、これ以上ない達成感があったはずだが、少なくとも高津臣吾監督にもナインにも「気の緩み」のようなものは感じられない。

「(連覇は)ほぼ考えてないですね。新しい1年が始まるわけですし、これからをどう戦っていくかっていうところしか頭にないですね。まあ、そんな簡単じゃないっていうことですよ。(昨年の)シーズン中もずっと言ってきましたし、本当に目の前の試合をしっかり戦うことが一番いいと思ってます」

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首位に立っても感じなかった“気の緩み”