「がねこ」という独特の読み方もインパクトがあり、今でも“興南のがねこ”を覚えているファンも多いはずだ。

 夏の準決勝、報徳学園戦、4回を終わって0対5という悪い流れを変えたのが、準々決勝まで16打数5安打と春に比べて調子が今ひとつの我如古のバットだった。

 チームが5回に2点を返し、反撃の狼煙を上げた直後、自らの中前タイムリーで3点目を叩き出し、1点差に追い上げた7回にも中越えに同点タイムリー三塁打を放つなど、5打数4安打2打点と“安打製造機”の本領を発揮した。

 そして、決勝の東海大相模戦でも、我如古は6回の左越え3ランなど4打数3安打4打点の大当たり。沖縄県勢初の春夏連覇に貢献するとともに、甲子園年間25安打の新記録も樹立した。

 立大時代にも4年春に5番打者として打率.317をマークした我如古は、卒業後も東京ガスで野球を続けたが、プロ入りすることなく、18年限りで引退した。

 このほか、85年の準優勝・宇部商の主砲で、PL学園・清原和博と最多本塁打を争った藤井進、01年に3試合連続本塁打を放ち、V戦士になった日大三・原島正光、駒大苫小牧時代に田中将大(現楽天)と同期で、4番・主将を務めた本間篤史らも記憶に残る強打者だった。(文・久保田龍雄)

●プロフィール
久保田龍雄/1960年生まれ。東京都出身。中央大学文学部卒業後、地方紙の記者を経て独立。プロアマ問わず野球を中心に執筆活動を展開している。きめの細かいデータと史実に基づいた考察には定評がある。最新刊は電子書籍プロ野球B級ニュース事件簿2021」(野球文明叢書)。

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