東京・秋葉原で催されている「高架下」キャンプ(撮影/米倉昭仁)

「西荻窪のときはファミリーが多かったんですが、今回は友人同士やソロの人が増えました。ほとんどは手ぶらでいらっしゃいます」(北田さん)

 この日は天気が不安定で、ときおり雨脚が強まった。

「雨が降ってくると、特に私みたいな小さい子どもがいると、その面倒をみながら、道具が雨に濡れないようにしなければならないので、慌ただしくなってしまうと思うんですが、ここならのんびりと過ごせます。これはすごく高架下のいいところだと思います」(同)

高架下から「郊外」へ

 来場者は東京区部の住民のほか、JR京浜東北線沿いの川崎市やさいたま市方面からやってくる人もいるという。北田さんは、こう続ける。

「一番遠いところだと、千葉県成田市からいらっしゃった人もいました。成田にはキャンプ場がいくつもある。つまり、普段からあちこちでキャンプをやってきたけれど、都心でもできるからと、キャンプ好きが高じてここへいらしたそうです」

 この場所は、基本的に「キャンプの練習場」という位置づけだ。

「もちろん今後、同様な企画を立てたときに、リピートしていただけるのもありがたいんですけれど、将来的には地方のキャンプ場とか、電車で行けるようなキャンプ場さんと組んで、そちらへも足を運んでいただけるといいなと思います」(北田さん)

 今年12月に社内審査会があり、高架下キャンプ場の需要や採算性が見込まれれば、来年度に向けて事業化が検討されるいう。

(AERA dot.編集部・米倉昭仁)

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