東京・秋葉原で催されている「高架下」キャンプ(撮影/米倉昭仁)
東京・秋葉原で催されている「高架下」キャンプ(撮影/米倉昭仁)
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 大都会のど真ん中でキャンプを楽しみたい。そんなニーズを探ろうとジェイアール東日本都市開発が東京・秋葉原に8月13日から24日までの期間限定でキャンプ場をオープンした。場所はJR山手線など線路がある高架下。その名も「高架下キャンプ練習場」。はたしてそんな場所でキャンプを楽しめるのか――記者がテントを背負って、現地を訪ねた。

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 ゴッ、ゴー、ダダッタンタン。

 テントの中で寝転んでいると、ひっきりなしに電車が通過する真上から音が響いてくる。「高架下」と聞いて想像はしていたが、やはり、結構な音量だ。

 ところが、ここでは電車の音を気にする人は誰もいない。というか、むしろそれを楽しんでいる雰囲気なのだ。

「この非日常的な空間は、ある意味すごいと思います」と、足立区から訪れた50代の男性は語った。

「ふだんは奥多摩とか神奈川県道志川沿いのキャンプ場に出かけますが、都心からだと結構遠くて、片道2、3時間はかかります。これだけ家の近くの街なかで思いっきりキャンプが楽しめる場所は珍しい。食料はキャンプ場を出て30秒のスーパーマーケットで購入できます。キャンプの常識を覆しますね」

東京・秋葉原で催されている「高架下」キャンプ(撮影/米倉昭仁)
東京・秋葉原で催されている「高架下」キャンプ(撮影/米倉昭仁)

初キャンプに「楽しい!」

 他にも来場者に話を聞くと、大半はキャンプ未経験者だった。別の区画では小学3年生の男の子がハンマーを振り上げ、真剣な表情でテントの四隅に小さな杭を打っていた。電車の騒音など、まるで耳に入らない様子で、「いっちゃんが打った!」と、声を上げる。

 テントの設営が終わると、今度は食事づくり。もちろん、炊事場も完備している。

「今日の献立はカレーライスです。息子が『キャンプはカレーだよ』というので」

 いっちゃんの母親はそう言って、料理に熱中する息子をうれしそうに見守る。

「『友だちが旅行に行くから、ぼくもどこか行きたいな』って言われて、調べて、ここに来ました。以前からキャンプはしてみたいと思っていたんですけれど、道具にも触ったことなくて、まったくわからない。寝袋だけ持ってくれば、ほかの道具は貸してくれるというので、手ぶらで来ました」(母親)

 いっちゃんは初めてのキャンプに、「楽しい!」と声を張り上げる。

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「キャンプ初めて」でも楽しめる!