静岡高校は、ウェブサイトに過去の実績をこう記している。

「静岡高校野球部は明治二十九年(一八九六年)に誕生し、創部百二十年以上の歴史と伝統を有しています。これまでに春夏合わせて四十二回の甲子園出場、夏の大会優勝一回、準優勝二回という輝かしい成績を残してきました。「甲子園優勝」を目標とし、日々、厳しい練習に励んでいます」

 静岡高校は2010年代以降、甲子園に5回出場している。これほど強いのは、静岡県の公立高校で適用されているスポーツ推薦によるものだ。同校野球部監督がこう話している。

「正式には学校裁量枠というものです。恐らく静岡県の公立校だけの制度だと思いますが……。これも学校によってどんな生徒を入学させるか異なる。サッカーの強い藤枝東高ならサッカー部に、私が前に監督をしていた浜松工高なら運動部全般、でした。基本、(学校裁量枠の)対象となるのは県内の子だけです」(日刊ゲンダイ2015年3月26日)

 静岡県内の私立の野球強豪校にすれば、静岡高校は大きな壁となる。地元にとって「静岡高校」というブランド力は絶大なものであり、同校をめざす野球少年は多い。

 ほかに一中が新制高校になってからの全国大会出場は、いくつかある。

 札幌南高校、秋田高校、盛岡第一高校、仙台第一高校、前橋高校、水戸第一高校、千葉第一高校(現、千葉高校)、神奈川県立希望ヶ丘高校、金沢泉丘高校、甲府第一高校、岐阜高校、奈良県立郡山高校、津高校、鳥取西高校、松山東高校、宮崎大宮高校、琉球政府立首里高校(沖縄が日本に復帰する前の1958年、1963年)などである。

 2000(平成12)年以降では北海道札幌南高校(2000年)、秋田高校(2003年)、郡山高校(2003年)、静岡高校(2003年、2011年、14年、15年、19年、21年)、鳥取西高校(2008年)、済々黌高校(2012年)がある(旧制佐賀中学-新制佐賀高校から分離独立した佐賀北高校、佐賀東高校を除く)。

 春の選抜大会はどうだろうか。

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