このように、「今のあなたの気持ち第一で」というこちらの気持ちは、言葉で伝えることができます。必要以上に相手を身構えさせず、敬意を払っていることが伝われば、どんな反応が返ってこようが、それがその人の今の気持ちを語る「答え」になります。
■無礼をお詫びして、感謝
こちらの質問に相手が真摯に答えてくれたら、丁寧にお礼の言葉を伝えることを忘れないようにします。そして、お話ししてもらえなかったとしても、やはりお礼。
「お答えづらいことは重々承知でおうかがいしたので……、こちらこそ不躾ですみません」と大袈裟にならないように伝えれば、相手も罪悪感を持ったり、気まずさを感じたりせずにすみます。
基本スタンスは「深追いせずに、聞けたら聞こう」と心に余裕をつくっておくこと。準備してきた「聞かなきゃリスト」は、相手を前にしたらいったん手放します。
すると、必要以上に気負わず、「今、あの質問をしたら、どんな気持ちになるかな?」と質問を受ける相手の立場も想像しやすくなり、切り出すタイミングが見えてきます。
私自身、「気づいたらこんな話までしてしまった、しかも楽しく!」と感じる聞き上手さんは、「この人なら大丈夫」と思わせる信頼感、どんな答えでも受け止めてくれるやさしさ、おおらかさを持っています。
普段話せないことも気持ちよく話してしまう「空気づくり」にふれたあとは、「素敵な人だったなぁ」としっかり記憶に残り、「またお会いしていろいろ話をしたいな」と、大好きになってしまうんですよね。
【ここまで聴いてくれたあなたへ】
「聞かなきゃ」は手放して、
何より相手がリラックスできる空気をつくる。
(構成/小川由希子)