「今日は、この件について聞かなきゃ。つらいな」と感じていると、その緊張感から解放されたいがために先に聞いてしまおう、という誘惑にかられることがあります。その結果、序盤から気まずい雰囲気をつくってしまい、ずっと針のむしろに。
逆に、「最後にしよう」と先送りしてしまう人もいるでしょう。すると今度は時間が足りなくなって、とってつけたようになったり、結局言い出せずに終わったり……。
「答えづらい質問」は、切り出すタイミングが大事。最初にお伝えしたように、それを聞くのはこちらの都合でしかありません。自分本位な聞き方をすると、出だしからつまずいてしまいます。
インタビューが始まるやいなや、早速デリケートな質問をぶつけられた相手の身になってみてください。「この人、今日一番聞きたかったのは、結局これなのか」と、あなたに、そしてその現場全体に不信感を抱き、最初からガードが一気に堅くなります。
そもそもクッションもなく唐突に難しい質問をされたら答えに困りますよね……。
相手が答えづらい質問は、場の空気があたたまってきて、お互いの距離が近づいてきたな、と感じるときまでしっかりおさめておきましょう。
具体的には、緊張がほどけて軽いひと笑いが起きたあとや、笑ったあとふと話が途切れたときなど、場の空気が緩んだ瞬間です。柔らかい雰囲気になっていれば、こちらも聞きやすいですし、相手も答えやすくなります。
そしてその際、さらに大切なのは、追い込んでしまうのではなく相手にとってフェアな場であると伝えること。つまり相手にとって「そのことはちょっと……」と言いやすい状況をつくることです。
あくまでも「お聞きしたいのは、こちらの都合」ですし「お答えくださるかどうかは、どうぞあなたが決めてください」というスタンスを相手にしっかり伝えるようにします。
<答えづらいことかもしれないので、ノーコメントでももちろん構いません>
<こんなことをお聞きするのは失礼だと承知しているんですけれど、この機会に教えていただきたくて……>
<お聞きしていいのか迷ったんですけれども、あたたかいお人柄にふれて……ここは思い切って、おうかがいしてもよろしいでしょうか>