京都外大西・西村瑠伊斗
京都外大西・西村瑠伊斗

 プロ野球ドラフト会議まであと約3週間となり、各球団の動向や候補選手についての報道も多くなる時期となってきた。今年は本命らしい本命は不在という印象で、近年多かった事前の1位指名公表も少なくなることが予想されるが、各球団どんな選手を狙うべきなのか。補強ポイントと、その選手がチームにマッチするかという点から探ってみたいと思う。今回は現在セ・リーグでBクラスの巨人、広島、中日の3球団だ。

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【中日】

 立浪和義新監督が就任し、期待が高かった中日だが最下位が決定的となっており、今年も苦しいシーズンとなった。昨年のドラフトでは長打力不足を解消するためにブライト健太、鵜飼航丞の強打者タイプの大学生外野手2人を指名したが、ともに確実性に大きな課題を残しており、一軍の戦力となるにはまだ時間がかかりそうな印象だ。若手野手では岡林勇希がブレイクし、土田龍空も成長を見せているが、根尾昂が投手に転向となり、石川昂弥も故障続きとなると、やはり今年も野手中心の指名と考えるのが妥当ではないだろうか。

 そこで筆頭候補として推したいのが内藤鵬(日本航空石川・三塁手)だ。西武のところでも紹介したが、その長打力は高校生ではナンバーワンであり、今年の候補全体を見ても長距離砲としての素質の高さはトップという印象を受ける。仮に内藤を1位で指名できたとしても、大砲候補はプロで苦しむケースが多いだけに、もう1人くらいは高校生の強打者タイプを狙いたい。

 石川、ブライト、鵜飼も右打ちだということを考えると左打者が狙い目になりそうだが、2位で残っていれば狙いたいのが西村瑠伊斗(京都外大西・外野手)だ。体はそれほど大きくないが、ミート力は高校球界でも1、2を争う存在で、技術で遠くに飛ばすことができる。足と肩も高水準で、広い外野を任せられるポテンシャルも備えている。下位で狙えそうな選手では田中多聞(呉港)も面白い。少し確実性には課題が残るが、大型でパワフルなスイングは高校生離れしたものがある。肩の強さがあるのも魅力だ。

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西尾典文

西尾典文

西尾典文/1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究し、在学中から専門誌に寄稿を開始。修了後も主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間400試合以上を現場で取材し、AERA dot.、デイリー新潮、FRIDAYデジタル、スポーツナビ、BASEBALL KING、THE DIGEST、REAL SPORTSなどに記事を寄稿中。2017年からはスカイAのドラフト中継でも解説を務めている。ドラフト情報を発信する「プロアマ野球研究所(PABBlab)」でも毎日記事を配信中。

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