その一つがオリックスだ。

「オリックスは積極的に動きそう。他球団に比べて資金力も決して劣らない。二軍施設等、ハード面の充実を図ったことで若手育成の土壌ができ始め、2年連続パ・リーグ制覇という結果にもつながった。勝つことでお客さんも入った。今後は選手(=ソフト面)の獲得に投資する次のフェーズに突入するはず」(オリックス担当記者)

「浅村栄斗(楽天)、森友哉(西武)という2人の大阪桐蔭OBがFAの権利を持っている。捕手と二塁手はレギュラーが固定できておらず、補強ポイントに合致するので全力で獲得に動くはず。加えて中日を退団となった平田良介も同校のOB。3人全て獲得できれば話題性を含め最高の補強となる」(在京球団編成担当)

 オリックスは2017年からファームの拠点が神戸から舞洲へ移転した。舞洲スタジアムを二軍本拠地とし、周囲には選手寮やサブ球場を30億円かけて建設。充実した野球環境を整えたことで、若い選手たちがしっかりと育っている。主力の多くを生え抜きで固めて戦い、リーグ制覇という結果も残した。今後、黄金期を作るためにも、さらなる戦力補強が欠かせない。

 また、オリックス同様に積極補強に動く可能性があるという声があるのがDeNAだ。

「DeNAにも動きがありそう。球団買収から地域密着を徹底し、本拠地・横浜スタジアムを中心とした街づくりに取り組んだ。横浜市民のみでなく神奈川県民が誇れる球団になり、チケットが入手困難な超人気球団になった。今後は勝つことで知名度をさらに上げ、全国、そして世界に誇れる球団を目指す。そうなってくると戦力補強への投資が欠かせない」(DeNA担当記者)

 ベイスターズは2011年にDeNAが親会社となってからは、地域密着を前面に打ち出しファンサービスに特化。球場を改修し、観客が楽しめるサービスを徹底して多くのファンを取り込むことに成功したが、次なる目標は勝てるチームを作ることだ。

「今後は野球で結果を出すための投資が必要。左腕王国となった投手陣は充実しつつあり、打線もソト、オースティンの両外国人が機能すれば球界屈指。牧がセカンドの不動のレギュラーとして活躍しているが、ショートはまだ固定できていないため、二遊間強化は課題です。FA権を持つ外崎修汰(西武)、中村奨吾(ロッテ)、高橋周平(中日)などは狙い目。狭いハマスタなら打撃成績のアップも期待できる」(在京球団編成担当)

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このオフのオリックス、DeNAに注目