ドイツ戦での国歌斉唱で感極まる森保監督(写真/アフロ)
ドイツ戦での国歌斉唱で感極まる森保監督(写真/アフロ)

「後半、(うしろを)5枚にしてマンツーマンのようになったので、あとはもう自分の目の前の敵に勝てばいいだけになった。役割はシンプルになりました」(酒井宏樹)

「前半、難しい時間帯が続きましたけど、後半、相手をハメにいった中で1対1にフォーカスすることができたし、やらせないっていう思いでした。僕だったらムシアラ選手と対峙することが多かったですけど、絶対にやらせないという思いでやっていました」(板倉滉)

「前半は本当に酷くて、これが個人的に初めてのワールドカップで、あのままの形で終われば、間違いなく僕は過去最悪の試合だったと思う。一生後悔するような内容だったと思いますけど、森保さんがしっかりフォーメーションを変えて自分たちが勇気を持ってプレーしたことによって、結果を得られたと思う。自分たちが普段リーグでやっている選手が多いので、ああやって対等に渡り合えば、どこのチームともいい試合ができることを証明できた。そういう面で今日は本当に全ての選手が良かったと思うし、森保さんの采配が全てだったかなと思います」(鎌田大地)

 鎌田はさらに「守備がハマっているということで、頭の部分のストレスがみんな無くなったと思うし、3バックはフランクフルトで常に僕がやっているフォーメーションだったので、明らかに前半よりもボールに触れるようになって、良かったかなと思います」とも話している。

森保が証明した「いつでもできる」

 2021-2022シーズンのヨーロッパリーグで鎌田が所属するフランクフルトは3バックを用いた見事な戦いぶりでバルセロナを下した。その直後、筆者は日本代表における3バック採用の可能性について森保監督に尋ねたことがある。返ってきたのは、「日本人には4バックが合っている」「4から3はできるが、3から4に変わるのは難しい」「(今の選手なら)3バックはいつでもできる」という答えだった。

 その時に聞いた「いつでもできる」という言葉を今回、森保監督は証明した。

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逆転の要因として語り落とせないのは…