今季がプロ6年目となる広島・中村奨成
今季がプロ6年目となる広島・中村奨成
この記事の写真をすべて見る

 今季プロ入り6年目を迎える広島の中村奨成。甲子園で大活躍し、鳴り物入りで入団したものの、これまでのところ目立った成績を残せていない。また、昨年にはグラウンド外で女性トラブルが発覚するなどチーム内での立場が“危うく”なりつつある。

【写真】2022年、コスパの「悪かった」広島の選手といえば

 そろそろ結果を残さないと厳しい状況に追い込まれそうだが、果たして期待通りの活躍を見せることはできるのだろうか……。

「野球に真摯に向き合え」

 昨年末の契約更改時に、球団からそう声をかけられたようだが、それが現在の状況を物語っている。

 2017年の甲子園で高校野球界のスターとなり、「打てる捕手」として同年のドラフトでは3球団競合の末に地元・広島へ入団した。昨季までの5シーズンで一軍での出場は計70試合で、放ったヒットの数は26本。まだ、年齢は今年で24歳と若いが、“期待の若手”とは言えない段階に差し掛かってきている。

「久しぶりに現れたスター候補。夏の甲子園で活躍したことで大きな評価を受け、期待をされた。話題性のみでなく、潜在能力の高さと大舞台での勝負強さには魅力を感じました」(アマチュア時代から知るスポーツライター)

 広島・広陵高では強肩強打の捕手として全国的に知られていたが、3年夏の甲子園前まではドラフトで1位指名を受けるかは微妙な状況だった。そんな中で2017年に行われた夏の甲子園大会では6本塁打を放ち大会最多記録を更新。PL学園高時代の清原和博(元西武など)が1985年夏に記録した5本塁打を超えたことで大きな話題となった。

「高校時代から、やんちゃな部分はあった。しかし広陵高の中井哲之監督は、母子家庭で育った中村を実の父親のように厳しく指導。周囲からの愛情に応えるように野球に真摯に取り組み、順調に実力を伸ばしていきました」(アマチュア時代から知るスポーツライター)

『早く母親を楽させたい』という思いを尊重し、高卒からのプロ入りを認めない中井監督が翻意したというのは有名。甲子園での伝説的な活躍からプロで飛躍という“サクセスストーリー”を誰もが描いていたが……。

次のページ
今後、中村の活躍を期待できるか