「高卒選手は身体を作り、技術もプロの水準に上げないといけない。お客さんに見られる中で結果を残すことで精神力も強くなる。力のある新人でも、多少の時間がかかるのは当然ではあるが(中村が)ここまで時間がかかるとは想像していなかった」(在京球団編成担当)

 中村はプロ入り3年目の2020年に1軍デビューし、翌2021年には初ヒットや初本塁打を記録するなど、39試合に出場して打率.283(53打数15安打)、2本塁打をマーク。昨季はさらなる飛躍が期待されたが出場試合数は27試合に減少。捕手としての出場数は4試合から7試合に増えているが、全体的に成績は下がってしまった。

 だが期待されながらも一軍での出場がなく引退する選手もいる中で、高卒5年目のプレイヤーとしては絶望的な結果ではない。これまでは準備段階とも考えられ、これからが“真の勝負”となってくる。

「プロ入り当時は身体の線が細く、一軍レベルでやっていたら故障する危険性が高かった。本人も自覚しており、ウエイトトレーニングや食事改善などに取り組んでいる。見た目はまだ細いが、プロの体にはなりつつある」(広島担当記者)

「打撃には非凡なものがある。金属バットから木製バットへの対応に時間を要したが、ここからは結果も出るはず。捕手としても肩の強さは天性のもの。キャッチング、インサイドワークなど課題はあるが、1つずつ経験してクリアするしかない」(在京球団編成担当)

 肉体や技術面に関しては間違いなく成長しているという評価が多い。また今後は捕手として勝負することを明言するなど、方向性も定まったことも大きいという。

「本人が覚悟を持ってやれるか。試合や練習が終わって帰宅したら、倒れて眠ってしまうくらいまで追い込めるか。精神的な部分での息抜きも必要だが、逆転してしまっては無意味。それで球界を去った人間は山ほどいる。(今季が)最後のチャンスだと思うような覚悟が必要でしょう」(広島OB)

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「とにかく必死にやって結果を」