理由は今季から編成本部長付特別補佐兼打撃コーディネーターに就任したウィーラーの存在である。過去を振り返っても巨人は他球団と比べ、助っ人の補強が上手いとはいえないが、ウィーラーがその状況を変えてくれるかもしれない。
ウィーラーは2015年の来日から楽天、巨人で合わせて8年間プレーし、昨年限りで引退。通算740安打、135本塁打、442打点をマークするなど、自身も“優良助っ人”として活躍したが、グラウンド上でのパフォーマンスとともに楽天、巨人で評価が高かったのはその人間性だ。
「一言で言えば謙虚な選手だった。日米での練習、調整方法の違いも受け入れ、日本式のものを積極的に試していた。ウエイトオーバー気味だと思えば、早めに球場入りしてランニングや自転車を漕ぐ姿などを見かけた。一生懸命やっている姿が伝わってきたので、周囲も早い段階から受け入れていた」(楽天関係者)
「明るい性格が最大の長所。楽天時代から『ハクション大魔王』と呼ばれた丸々とした体型も周囲を和ませる。日本語もかなり理解しておりコミュニケーション能力も高い。大声でジョークを言い、日本人選手からもイジられるので、周囲には笑顔が絶えない。現役を退いてもムードメーカーとして欠かせない存在です」(巨人関係者)
昨年5年ぶりのBクラス(4位)に終わった巨人はオフにフリーエージェント(FA)での補強はなく、今季は若手の底上げ、そして新助っ人たちの活躍が上位進出のために重要となってくる。オフには投手のビーディ、グリフィン、ロペス、メンデス、野手のブリンソンと5人の助っ人を迎え入れたが、彼らが活躍するためにも、日本で助っ人として成功した経験を持つウィーラーの“サポート”は重要となるはずだ。
「外国人選手には日本で成功する秘訣をアドバイスしている。会話を多く交わして性格を把握、首脳陣に報告する役目も果たしています。特別補佐という肩書きが最適の人材。外国人選手は気分良くプレーできれば、ある程度の結果は期待できる。ウィーラーの働きが巨人の今季の戦いに大きな影響を与えるはず」(大手エージェント会社関係者)