突然の休校で、子どもに留守番をさせなければならないときは、子どもの年齢、犯罪や災害への対策などさまざまなことを考慮して考える必要がある(写真/gettyimages)
突然の休校で、子どもに留守番をさせなければならないときは、子どもの年齢、犯罪や災害への対策などさまざまなことを考慮して考える必要がある(写真/gettyimages)
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 一斉休校の要請が出され、「子どもは家で留守番させておけばいい」という意見を目にするようになりました。少し昔ですが2013年にベネッセが行った調査でも「33.1%の人が年少~小学生を週1回以上留守番させている」という結果が出ています(※1)。でもこれ、アメリカではとんでもないことです。場合によっては犯罪とみなされる場合もあります。

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「子どもを保護者の監督なしに放置してはいけない」というのが、アメリカでの共通認識です。街路や公園だけでなく、車内や自宅の裏庭で子どもだけにするのも厳禁。自宅での留守番もその禁止事項に含まれるのです。ただ、明確に「〇歳以下の放置は違法」と定めているのはイリノイ州(14歳、※2)、オレゴン州(10歳)、メリーランド州(8歳)の3州だけで、連邦法もありません。子どもの発達具合は千差万別で、一概に〇歳と決められないからだそうです。でも目安はいろいろ示されており、たとえば非営利団体のSafe Kids Worldwideは「12歳~13歳」、アイオワ大学医学部の調査では「12歳」とされています。個人的には、「うちの子ティーンエイジャーに(つまり13歳に)なったから、もう留守番を任せられるの」という言い方も耳にします。

 米国保健福祉省は、子どもをひとりで留守番させていいか迷ったときには以下の質問が助けになるとしています(※3)。
□ 身体的にも精神的にも自分で自分の面倒を見ることができるか?
□ ルールに従い、正しく判断できるか?
□ 不慣れな状況やストレスのかかった状況に置かれたとき、どういう反応をするか?
□ 家にひとりでいることを居心地悪く思ったり怖がったりしないか?
 このチェックリストや前述の目安年齢を考慮すると、やはり中学に上がるくらいまでは留守番を任せるのは難しいんじゃないかという気がします。

 そんなアメリカでも、20~30年前は鍵っ子(英語では「latchkey kids」という)が当たり前でした。30歳前後の母親が集まると、「私たちが子どものころはひとりで留守番するのが普通だったよね」「ひとりでおつかいにも行っていたよね」という昔話が始まります。時代とともに、当たり前が当たり前でなくなってきたんです。

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「昔は普通」が変わる