早稲田大学国際学生寮(WISH、東京・中野)/JR・東京メトロ中野駅徒歩10分。早稲田キャンパスまでは東京メトロ東西線で約8分と通学至便だ(撮影/写真部・小黒冴夏)
早稲田大学国際学生寮(WISH、東京・中野)/JR・東京メトロ中野駅徒歩10分。早稲田キャンパスまでは東京メトロ東西線で約8分と通学至便だ(撮影/写真部・小黒冴夏)
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WISH2階のラウンジには雑誌や新聞があり、情報収集や勉強する環境が整っている(撮影/写真部・小黒冴夏)
WISH2階のラウンジには雑誌や新聞があり、情報収集や勉強する環境が整っている(撮影/写真部・小黒冴夏)

 永遠のライバル早稲田大学と慶應義塾大学。両校は今どんな分野に注力しているのか。AERA 2019年9月16日号に掲載された記事を紹介する。

【写真】早稲田の国際学生寮のラウンジ。情報収集や勉強する環境が整っている

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■慶應はスタートアップを積極支援

「医療の発展や優れた人材、技術の確保のため、医師はビジネスを理解するべきだ」

 そう語るのは慶應義塾大学病院の矢津啓之医師(31)。同僚の医師と3人で携帯電話に取り付けて患者の目を診察できる「Smart Eye Camera」という機器を開発し、ベンチャー企業「OUI」を立ち上げた。2017年に訪れたベトナムで診断機器の不足を知ったのがきっかけ。CEOの清水映輔医師(32)は「世界の失明人口が3500万人で半分は白内障。途上国でこの機器を使ってもらえれば多くの失明者を救うことができる」

 慶應が起業支援を加速させている。15年には大学発のベンチャーキャピタル「慶應イノベーション・イニシアティブ」を、18年には「慶應義塾大学イノベーション推進本部」を設立。学内の知見をビジネス化する狙いだ。

 湘南藤沢キャンパスそばに06年設立した「慶應藤沢イノベーションビレッジ」からも次々に起業家が巣立つ。

 環境情報学部3年の高山泰歌さん(21)は、男性用下着の製造企業「One Nova」を経営する。

「SFCに起業を目指す学生が多く集まることを知っていたので入学しました」

 総合政策学部1年の東出風馬さん(20)は、オンラインのプログラミング教育を手がける「Yoki」を起業。SFCの学生らの支援のため設立されたSFCフォーラムファンドから出資も受けた。

「そうしたファンドから出資を受けることで、慶應の学生を事業に巻き込みやすい」とメリットを強調する。(編集部・小田健司)

■グローバル教育が早稲田の強み

「早慶で一番差がつくのは、グローバル化の点でしょう」

 大学通信常務取締役の安田賢治さん(63)はこう語る。同社調べの「進学校857校の進路指導教諭の評価」で、「グローバル教育に力を入れている」点で早稲田が5位で慶應が28位と大きく差がついた。

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