「平成」が4月30日で幕を閉じる。振り返ると、いまや死語となった流行語や、最近見ないかつての人気者も多い。新時代を迎える前に、AERAはそんな時代の思い出をアンケート。読者と共に振り返る。
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いまから30年4カ月前。平成はバブル経済まっただ中ではじまった。
もう二度と流行ることはなさそうな大きな肩パッドの入ったジャケットや原色のボディコンスーツで街を闊歩する人が大勢いた。ホントに。
千葉県に住む自営業の女性(46)は、当時短大生。ソバージュの髪をなびかせ、前髪をハードスプレーでがっちりと固めたすだれ髪が命だった。
「ワンレンボディコンにロングブーツを履いてジュリアナ東京に通ったこともありました。太眉にシャネルの真っ赤な口紅と香水がステータスでした」
ワンレンボディコンと言ってもピンとこない方は「平野ノラ」を思い描いてほしい。いまやコントになる、あんな格好の女性が街にたくさんいた。
そんな彼女もいまや子育て中。子どもに「勉強しなさい!」と怒る日々。とても自分の二十歳の写真を娘には見せられない。
「平野ノラな自分は封印です」
そのころテレビで流行っていたのが、フジテレビの土曜深夜枠「ねるとん紅鯨団」。一般の男女が参加するカップリング番組だ。カップル誕生を視聴者もハラハラドキドキ見守った。
この番組に出演経験があるというのは川崎市に住む50代男性。番組出演はいい思い出だが、
「当時付き合っていた彼女がいたのにこの番組に出てしまい、フラれましたよ。会社や地元の友だちにも知られ、影響の大きさにビビりましたね」
そんな浮かれた時代は長く続かなかった。平成に入って数年たった1990年代前半にはバブルが崩壊。それからは「失われた20年」と呼ばれる景気低迷時代に突入した。
大人たちの元気がなくなっていく一方で、ムーブメントを起こしていったのは女子高生たち。ルーズソックスにミニスカートといったコギャルファッションが大流行した。そのカリスマだったのが、昨年引退したアーティストの安室奈美恵だ。彼女に憧れてそのファッションをマネするアムラーもたくさんいた。