大きく変化したのが6日目のこと。キャッシュレスの話で盛り上がった前述の先輩に、赤羽駅のホームにあるJR東日本の無人店舗に行こうと誘われたのだ。テレビで見たことがあり興味があった。AI(人工知能)技術の活用が売りで、店内のカメラが客の動きを追跡し、手に取った商品を認識して、購入額の計算から決済までを自動で行う仕組みだ。ただ購入したマフィンの個数を決済時に手動で訂正したことは少し残念に思った。まあ実証実験中だから、こうして学習してもらえばいいか……。

 その夜は楽天ペイのアプリで近くの居酒屋を検索し、決済もできた。先輩がおごってくれるというので全額を現金でもらったら「ちゃっかりしているな」と怒られた。

 結局1週間のうち、キャッシュレスで決済した金額は1万8845円。現金を使ったのは社内の置き菓子サービスで使った100円と、電子マネーに対応していない自動販売機で買った缶コーヒー120円だけ。「キャッシュレスで全然いける!」が素直な感想だ。

 スマホでのキャッシュレス決済は慣れてしまえば簡単・便利だ。この次は、ポイントをためることにチャレンジしていきたいと考えている。(ライター・及川知晃)

※AERA 2018年11月26日号より抜粋