企業などに「雇用」されずに働くのはリスクがつきもの。病気やけがに老後の備えも……。フリーランス対象の支援策や制度を紹介する。
* * *
「住まいがワクワクできる場所でないと、いい仕事もできません」
そう話すのは、人材サービスを主力に展開する「ウィルグループ」(東京都中野区)シェアハウス部の若泉大輔部長だ。
同社は、入居者をITエンジニア・クリエーターに特化したコミュニティー型賃貸マンションを運営。フリーランス支援事業に取り組む「ランサーズ」(東京都渋谷区)と連携し、5月下旬から入居募集したのが、二子玉川駅徒歩6分の賃貸マンション(31室、世田谷区)だ。ランサーズの「認定ランサー」(一定基準を満たすフリーランス会員)のITエンジニア・クリエーターは家賃割引または礼金免除の特典が受けられる。
コミュニティーの中心は地下の共用リビングルームだ。人工芝を敷いた100平方メートルの空間はおしゃれなカフェを思わせる。カラフルなソファやマッサージチェア、卓球台、ハンモックを配置。プロジェクターを備え、Wi-Fiも導入している。
共用リビングは、入居者が日常的に情報交換するだけでなく、入居者のニーズに応じた勉強会の場としても活用。IT技術や確定申告、法人化などをテーマにした勉強会を、ウィルグループが企画・運営する形で専門家を招いて開催する。
有名漫画家が駆け出し時代に身を寄せ合った「トキワ荘」の「ITエンジニア版」のイメージで展開する同社の賃貸マンションは、二子玉川のほか恵比寿(渋谷区)などで運営。恵比寿のマンションに暮らして約1年になるフリーランスのITデザイナーの女性(35)は言う。
「共有リビングには、暇さえあればみんな集まるので、『きょうご飯、何食べる?』みたいな感覚で仕事の相談をしています」
将来は法人化も視野に入れるこの女性は、区の検診は可能な限り受診するなど、体調管理には気を配っているという。