和田は今季初登板の4月5日のオリックス戦で5回無失点の好投で球団最年長勝利記録を樹立。続く4月14日の楽天戦では、4回を投げて3失点を喫して負け投手となったものの、今年もチームにとって貴重な左の先発として機能している。石川、和田ともに登板の間隔を空けながらの起用となりそうだが、先発ローテーションの谷間を埋める存在として今年も期待できそうだ。

 野手で順調なスタートを切ったのが今年で40歳になる中村剛也(西武)だ。開幕戦こそベンチスタートとなったものの、山川穂高が故障で二軍調整となった後は4番を任されると、ここまで打率.333、2本塁打、4打点と見事な成績を残しているのだ。特筆すべきはその三振の少なさである。過去には4度シーズン最多三振を記録し、通算では歴代最多となる三振を喫するなど「ホームランか三振か」というスタイルだったが、今年はここまで44打席でわずか3三振しか記録していないのだ。

 元々力任せに振るスタイルではないが、今シーズンはさらに脱力してスイングしているように見え、その分対応力が上がっているように見える。このペースが今後も続くかはまだ分からないが、この年齢でここまで大きく三振数が減少するというのは驚きである。この調子であれば、山川が復帰してもクリーンアップを任される可能性は高いだろう。

 一方で苦しいスタートとなったベテラン選手も少なくないが、特に目立つのが巨人の中島宏之、松田宣浩、長野久義の3人だ。松田はソフトバンクを自由契約となり、長野は広島から出戻りとなる無償トレードという形で今シーズンからチームに加入。原辰徳監督もシーズン前から主に代打要員となる3人を一軍に同時に置く考えはないとコメントしていたが、開幕時点では骨折で出遅れた中島が二軍調整となっている。開幕後も松田は不振が続き、プロ入り後初となるセカンドの守備でもまずいプレーがあるなど精彩を欠き、4月14日には登録抹消となった。

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他にも“苦しむ”ベテラン選手