巨人・中島宏之(写真提供・読売ジャイアンツ)
巨人・中島宏之(写真提供・読売ジャイアンツ)

 若手やルーキーの活躍が目立つプロ野球だが、その一方でいくら実績があっても結果が出なければユニフォームを脱がなければならないというのがこの世界の常である。昨年も福留孝介(中日)、能見篤史(オリックス)、糸井嘉男(阪神)、内海哲也(西武)などが現役を引退しているが、毎年が正念場というベテランも非常に多い。そんな選手の今シーズンここまでのプレーぶりはどうなっているのだろうか。(文中の成績はすべて4月20日終了時点のもの)

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 まず投手で変わらぬ存在感を示しているのがともにオリックスの平野佳寿と比嘉幹貴の2人だ。平野は今シーズンも開幕から抑えを任せられると、5試合に登板してリーグ2位タイとなる4セーブをマーク。三者凡退で抑えたケースは一度もなく、走者こそ背負うものの、セーブシチュエーションでは全て無失点で抑えている。ストレートは150キロに迫るスピードがあり、決め球のフォークのブレーキもさすがだ。このまま順調にいけば、日米通算250セーブの大記録達成の可能性も高い。

 比嘉もここまで5試合に登板し、そのうち4試合がワンポイントリリーフと投球回数こそ少ないものの、1人のランナーも許さない完璧な仕事ぶりを見せている。あらゆる場面でも変わらぬ投球で打者を抑える姿は職人的な趣があり、チームへの貢献度は数字以上のものを感じる。今後も重要な試合での火消しも期待できるだろう。

 彼らよりさらに上の世代である石川雅規(ヤクルト)、和田毅(ソフトバンク)もまだまだ先発として戦力となっている。石川は今季初登板となった4月6日の中日戦では3回途中3失点(自責点は2)で降板して負け投手となったものの、二軍での調整を挟んで登板した4月20日の中日戦では5回を投げて2失点としっかり試合を作って見せた。走者を出してもあらゆるボールを駆使してしのぐ投球は今年も変わらない。本人も残り17勝に迫った通算200勝に対して強い意欲を示しているだけに、今後も粘りの投球に期待だ。

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西尾典文

西尾典文

西尾典文/1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究し、在学中から専門誌に寄稿を開始。修了後も主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間400試合以上を現場で取材し、AERA dot.、デイリー新潮、FRIDAYデジタル、スポーツナビ、BASEBALL KING、THE DIGEST、REAL SPORTSなどに記事を寄稿中。2017年からはスカイAのドラフト中継でも解説を務めている。ドラフト情報を発信する「プロアマ野球研究所(PABBlab)」でも毎日記事を配信中。

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