「どーしてそうなるのかな……!?」話が通じなくて、頭を抱えること、増えていませんか。「背景が違うので“共通語”がない」から? 否、いくら時間をかけても「わかりあえない」自信がある。それがもし、「読解力」の低下が原因だとしたら――。AERAネットが読解力に関するアンケートを実施したところ、「通じない」相手へのいらだちとともに、自身についても不安に思うという声も寄せられた。話が通じない背景には、何があるのだろうか。
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「通じない」とき、どうするか。17.2%が「最初からあきらめる」と答えた。「何度か説明してもわからないときはあきらめる」(41.4%)と合わせると6割近い人が「あきらめ」ている。一方で、もしかしたら「自分も話がわからないヤツなのでは?」と不安に思う人も半数近くいた。
「人からの皮肉や悩みの相談をその場で理解できず、後から気づくことが多い」(自由業・40代男性/愛知県)
「(自分との会話で)相手がイライラしていたことがある。もしかして通じてないと思われてたのかも……」(会社員・40代女性/千葉県)
アンケートには、教育現場からの懸念の声も多数寄せられた。回答者のうち、5人に1人は講師や教員など教育関係者だった。
今春、6年生を卒業させたばかりの小学校教諭の男性(35)は、児童たちの「実体験不足」について危惧していた。
「高学年になるほど休み時間に外で遊ばない子が目立ちます。首都圏ですから自然が豊かとはいえませんが、花壇はあるし土のグラウンドもある。虫もいる。けれど、子どもたちはそれを『見ていない』んです。これではいくら授業や読書で文学や理科、社会を学ばせても実感として定着しない。『手がかじかむ』といわれても、年中エアコンで制御された中で育った子には、その感覚はわからないんです」