同じ会社に勤める共働きの夫婦なのに、家事や子育てのほとんどを妻が担当している。妻が出張で家を空ければ、「今晩は妻がいないから大変だ、子どもの世話をしないといけない」と被害者アピールを欠かさない。
「食事をつくるのではなく子どもをファミレスに連れていくだけなのに、大ごとだと騒いで、妻の過剰な働きの上に成り立っている現在の生活スタイルに何ら疑念を抱かない。『ゴミ捨てをしている』と自慢しても、そのゴミは実は妻がまとめたものだったりする。同じ男性として、正直疑問です」(桃山商事)
夫が家事や育児を分担することは当然という意識が染みついているからこそ、実の伴わない過剰な「イクメン」「イクボス」アピールを、あさましいと感じる。
そう、自分たちは当然のことをやっているだけ。なのに、疲労と焦燥がたまっていく。
都内に勤務する編集者の男性(36)は、「フラリーマン」をするゆとりすらない。帰宅すると、2人の息子が歓声をあげて迎える。自分の役目は、彼らを引き取って一緒に遊び、妻を休ませること。寄ってくる長男の後ろに、今日もなんとか食事を終えさせたらしい妻(37)のいらだった顔が見える。