はあちゅうさん(30)ブロガー・作家、慶應09年卒/法・政治(写真:本人提供)
はあちゅうさん(30)ブロガー・作家、慶應09年卒/法・政治(写真:本人提供)
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 名門私大として、事あるごとに比較される早稲田と慶應。お互い母校のどこに誇りを持ち、相手校をどう捉えているのか。慶應卒業のはあちゅうさんに本音を聞いてみた。

 慶應ブランドに憧れ、湘南藤沢高等部に入りました。でも親が有名人や社長だとか、本人も才能に溢れた、マンガでしか見たことのないような人種を目の当たりにして、萎縮してしまいました。

 大学では心機一転、外交官を目指そうと法学部政治学科を選びました。ところが授業が自分には合わず、早々に外の世界に活路を求めることになりました。2年生からメディア・コミュニケーション研究所に入り、菅谷実ゼミに所属。そこが、学内での自分の居場所でした。

 いちばん刺激を受けたのは、学外の学生起業家コミュニティー。現役の早稲田生が経営するバーがたまり場で、いまもIT業界などで活躍している人たちがいっぱいいました。私も刺激を受けてブログを始め、卒業旅行ではスポンサーを集めてタダで世界一周。それを映像作品にしてゼミの卒論として提出。その年の最優秀賞に選ばれました。

 慶應の良さがわかるのは卒業してからですね。慶應というだけで不思議とつながれる。根っこの価値観が似ているのでしょうか。人生に対して余裕があって、ノブレスオブリージュの精神を持った人が多いように思います。

(編集部・石臥薫子)

AERA 2016年10月17日増大号