暑さのピークは過ぎたものの、まだまだ残暑は厳しい。クーラーに頼ってしまいがちなこの時期、うまくポイントをおさえることでエコで涼しい生活が実現できる。目指すは、気張らなくても気軽にできる「ゆるエコ」だ。
ちょっとした積み重ねで確実に節電効果が出ると指南するのは、節約アドバイザーの和田由貴さんだ。
「朝起きたらすべての窓に簾(すだれ)をかける習慣をつけてください。窓や壁が熱を蓄え、輻射熱となって夜に放出しているため、日中に対策しておくかどうかで、夜の室内温度に差がつくんです。エアコンを使うときはサーキュレーターで空気を攪拌することが大事ですが、ポイントはその位置。エアコンの対角線上、天井の中央に向けた角度で置きましょう。冷たい空気は床にたまるため、扇風機ではあまり効果がありません」
他にもいろいろなワザを教えてもらった。横浜市青葉区を中心に活動するウェブメディア「森ノオト」は、「地元のホームセンターの店長おすすめエコグッズ」「米のとぎ汁活用法」など、誰でも実践できるエコ情報を発信している。代表の北原まどかさん(37)の暮らしには、マネしたい「ゆるエコ」がいっぱいだ。
午前8時。日中はエアコンはつけない主義だが、窓の開け方を工夫すれば、十分涼しく過ごせる。ポイントは、外の空気を入れる側の窓は広く、出す側はせまく開けること。風は入ってくるときに出口を探すので、出口が狭いと、より強く吹き抜けるのだという。北原さんは、リビングの窓を大きく、対面にあるキッチンの窓を小さく開けている。確かに、室内の気温が34度もあるのに、風が吹き抜けて涼しく感じた。同じ方角にしか窓がない場合でも、左右どちらかを調整すれば大丈夫とのこと。
午前11時。暑いときにキッチンに立つのは憂鬱なものだ。夏休み中の主婦には、子どもたちの昼食づくりも待っている。そんなとき、ぜひ試してほしいのが、「余熱調理」だ。
森ノオトでは、パスタのゆで方を研究。(1)指定通りにゆでる(2)水でふやかしてからゆでる(3)余熱調理の3パターンを試し、軍配が上がったのが余熱調理だった。やり方はいたって簡単。ゆで時間の目安が8分だとすると、沸騰後2分ゆでたら火を消し、6分間待つ。余熱がモチモチの食感に仕上げてくれる。そうめんも同じ。この方法だと、ガス代の節約にもなる。
※AERA 2015年8月24日号より抜粋