上級者向けとして、高下さんもココナツオイルやMCTオイルを挙げるほか、脳血管を丈夫にする効果を期待できるというマカダミアナッツオイルもすすめる。
「ココナツオイルはコーヒーに入れると良く、マカダミアナッツオイルとともに海外セレブの間で人気になりました」(高下さん)
入手しやすいものでは、オレイン酸を含有するオリーブ油が炒めものなどに良く、エクストラバージンオイルを使ってほしいと話している。炒めものには米油も良く、酸化しにくいほか、スーパービタミンEのトコトリエノールも入っており、ビタミンEが豊富という。お弁当をつくる際、揚げものに米油を使うと酸化しにくいとも話す。
一方、専門家が声をそろえて避けたほうがいいという油はトランス脂肪酸。マーガリンやショートニングなどに含まれており、悪玉コレステロールを増やすだけでなく、善玉コレステロールを減らし、心疾患のリスクを高めるとされる。
「落とし穴なのがパン。つくるときにバターやマーガリンを使っています。市販のお菓子もほとんどでマーガリンを使っています」
こう話す池上さんは、飽和脂肪酸とともにトランス脂肪酸の摂りすぎに注意を促している。
さらに、いい油を摂る以前の話として、高下さんは油についてこう指摘する。
「怖いのがスーパーの総菜です。酸化しているものがあるかもしれません。売れ残りは体に良くない可能性があります」
砂糖も油も、くれぐれも摂りすぎは要注意。そして、どのような成分を含んでいるのかを知り、摂取に際しては成分のバランスをとることも大切になる。自分が「何を食べているのか、自覚することが大切」と高下さんは話している。(本誌・浅井秀樹)
※週刊朝日 2019年7月19日号