現代人の食生活とは切っても切れない砂糖と油。あらゆる食品に含まれており、調味料としても健康志向からさまざまな種類が市販されている。それをいかに使いこなすかが、健康寿命を左右するといっても過言ではない。砂糖も油も生活習慣病の原因になると敵視しがちだが、大事なのは、摂る量とバランス。砂糖と油の上手な摂り方について専門家に聞いた。
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「現代人は、知らず知らずのうちに糖分を摂りすぎています。栄養指導をしていると、炭酸飲料が冷蔵庫に必ずあるという人が多く、2リットルのボトルなど大きなものを買い置きしています」
こう話すのは、管理栄養士の高下容子さん。炭酸飲料の買い置きは“危険”だという。冷蔵庫に冷やしてあるとつい飲んでしまうが、500ミリリットルのコーラには糖分56グラム、角砂糖で十数個分も入っている。
糖質はタンパク質や脂質とともに3大栄養素で、エネルギー源になる。穀物や果物などに多く、不足すると疲労感や集中力の低下につながり、摂りすぎると中性脂肪として蓄積され、肥満や生活習慣病の原因になる。一方で、疲れると無性に甘いものが欲しくなり、少し甘いものを食べるとストレス発散にもなる。
世界保健機関(WHO)は1日の糖分摂取を総カロリー量の5%未満と推奨しており、大人であれば25グラム未満になる計算だ。この推奨量は、上白糖ならば大さじ3杯にも満たないが、量だけでなく、その種類も気になるところ。最近、「白い砂糖は体によくない。茶色い砂糖は体にいい」といった言説をよく耳にするが、そのまま信じてもいいのだろうか。
「砂糖自体が悪いものではないのです。上白糖は精製された砂糖のことで、血糖値を上げるスピードが速く、肉体労働者やアスリートにはすぐエネルギーとなる。自分もトレーニングの後には白い砂糖を使ったものを口にすることがありますよ」
こう話すのは管理栄養士で、ブログで情報発信するタイゾーさん。たいていの家庭に常備してあるいわゆる白砂糖は上白糖のこと。サトウキビなどの原料から不純物を除き、甘みを抽出するため精製してつくる。和食のためにつくられた日本特有のもので、料理の色がきれいに仕上がる。