高齢者による交通事故、孤独死…怖すぎる「令和リスク」とは?高齢者の貧困や孤独死が急増 認知症も5人に1人に 怖すぎる「令和リスク」とは?
いよいよ始まった令和の時代。祝賀ムードが広がるが、日本の将来像を考えると喜んでばかりはいられない。超高齢化が進み孤独死が急増。医療や介護の費用が膨らむ一方で、年金は目減り。こんな「令和リスク」が現実化しそうなのだ。
2040(令和22)年の日本。24歳の会社員サトシは、「オハヨウゴザイマス」という声で目を覚ます。家事ロボットが実用化され、起こしてくれるのだ。
ロボットに手伝ってもらい、身支度をして車に乗る。「会社まで」と目的地を伝えれば、自動で運転してくれる。着くまでにネット端末でニュースに目を通し、今日の予定をチェックする──。人工知能(AI)の技術が発達し、いろんなことが楽にできるようになった。だが、暮らしも豊かになるとは限らない。
サトシの父は55歳。事務職のサラリーマンだったが、AIに仕事を奪われた。再就職を目指すが、機械だけでなく外国人労働者との競争もあって、いい仕事は見つからない。年金の受給開始年齢は引き上げられ、75歳までは働きたい。あと20年どう頑張るか──。
56歳のサトシの母は90歳を超えた祖父や祖母を家で介護している。さすがに介護はロボット任せは難しく、人間が付き添う必要がある。祖父には認知症の症状もあり、母はストレスを抱える。
サトシが街を歩いてすれ違うのは高齢者ばかり。ばりばり働くアクティブなシニアも多いが、知力、体力はどうしても低下しがちだ。団塊ジュニア世代はみんな65歳以上になり、孤独死が社会現象になっている。
高齢者を支えるため、サトシのような若者に負担がのしかかる。消費税は20%を超え、社会保障費も右肩上がり。一部のお金持ちの子どもは余裕があるようだが、多くの若者は自由に使えるお金が少ない。格差は広がり、結婚や出産をあきらめる人も目立つ。
高齢者と同じように街でよくすれ違うのは外国人だ。低賃金できつい仕事を任されている。待遇に不満があり、地域社会にもなじめないため、異国の地で疎外感を抱えている。外国人に仕事を奪われたと感じる日本人からの視線は冷たい。社会の分断が進む。