天皇陛下の在位中、最後となる新年の一般参賀が1月2日、行われた。陛下の姿をひと目見ようと訪れた参賀者は平成最多の15万5千人。皇居周辺は、長蛇の列で埋まった。急きょ5回の一般参賀を6回に増やしたが、それでも入りきらない人たちがいるのを知った天皇陛下は、サプライズで7回目を実施。陛下らしい、思い遣りに満ちた演出だった。
この日、ツイッターには、早朝から一般参賀のために並ぶ人々の書き込みが相次いだ。ある人が、<待機列情報 徹夜組400人>とつぶやけば、別の参賀者は、丸の内警察署が発行する整理券の写真とともに、<朝4時35分なのに整理券番号321(笑)。一番早い人は昨日の昼から並んでいるんだとか>と書き込み、(待機列最後尾が有楽町…10時15分)と驚きを見せる人もいた。
この日、予定されていた参賀の回数は午前3回、午後2回の計5回だった。
昨年12月23日の天皇誕生日の一般参賀では、最後の回となる3回目で、宮殿の長和殿のベランダに立つ天皇陛下を中心に皇族方が集まる「サービス」場面があった。当日取材していた記者がこう話す。
「陛下が集まるように話したのでしょう。皇后さまが、秋篠宮さまを手招きする様子が目に入りました」
おまけに、秋篠宮家の長男、悠仁さま(12)が一般の参賀者に混じり、一般参賀の様子を見学するというお忍びもあった。
今回も最後の回に、「サービス」が起こることを期待して、記者も一般参賀の待機列に並んでみた。最後である5回目の開始時刻は2時20分。なので3時間の余裕を持って11時30分前に桜田門方面から皇居前広場へ。最後尾が有楽町まで伸びた、午前中ほどではないが、皇居前広場は荷物検査とボディチェックを待つ参賀者でびっしりと埋め尽くされている。
手荷物を持たない人は、検査をする仮設テントまでの行列をスキップ可能。悠々と、進んで行く手ぶら組を横目に見ながら、手荷物組は、「荷物持って来なければよかった」と嘆きながら、ひたすら並ぶ。