忍者を活用した大名として、毛利元就、北条氏康、徳川家康、伊達政宗らが挙げられる。その活動は、「陰の世界」に属していたことから、歴史的な事実として確認できない。だが、忍者を知らずして、乱世を語ることはできない
■特殊な職務にあたった忍者の「四つの任務」を詳解
(1)諜報
同盟した大名の身辺まで情報収集
敵対勢力に限らず、同盟関係にある大名の領内や、味方の家臣まで、あらゆる情報を収集し、主君に報告することが忍者の任務だった。修験者、行商人、足軽、農民などあらゆる者に次々と姿を変え、地道な諜報活動を展開した。
(2)防諜
主君の情報が漏洩するのを防ぐ
敵領の情報を収集するとともに、敵による情報収集を防止することも忍者の責務だった。忍者同士による戦いも頻繁にあった。敵の諜報部員を捕らえて処刑するだけでなく、敵の動きを逆に利用するなど、虚々実々の駆け引きが繰り返された。
(3)調略
敵から内応者を選び裏切りを画策
忍者は、敵領への侵攻を前にして、主君から密命を受けて敵の重臣と接触した。色よい返事を受ければ、報奨が提起され、内応の時期や方法が忍者によって伝達された。また、偽の情報を流して敵を混乱させるのも忍者の任務だった。
(4)暗殺
最重要任務は要人を殺害
主君にとって都合の悪い人物を暗殺することは、忍者に課せられた究極の任務であり、暗殺の技術も会得していた。別の見方をすれば、自分の死によって情勢が変化することを自覚している実力者は、忍者を身辺に配置し、暗殺を防いだ。
■実像を紐解いて完全ランキング化! 史上最強の忍者は
第1位は「服部半蔵」97点
半蔵の父保長は、伊賀上忍の家に生まれたが、故郷をあとにして松平家に仕えたとされる。半蔵は、忍者の棟梁として敵の裏をつく作戦を指揮することもありながら、三河武士の一員として戦場を駆け巡り、「鬼の半蔵」と異称された。
徳川家康の伊賀越えでは、伊賀の忍者たちに護衛として加勢することを要請するため、伊賀へ先行した。家康一行が伊賀へ入ると、信長への遺恨を抱く国人衆の生き残りが蜂起し、国内は混乱状態に陥っていた。だが、半蔵の要請に応じた忍者たちの護衛により、家康一行は無事に通過することができた。