帯津良一(おびつ・りょういち)/1936年生まれ。東京大学医学部卒。帯津三敬病院名誉院長。西洋医学だけでなく、さまざまな療法でがんに立ち向かい、人間をまるごととらえるホリスティック医学を提唱。「死を生きる」(朝日新聞出版)など多数の著書がある
帯津良一(おびつ・りょういち)/1936年生まれ。東京大学医学部卒。帯津三敬病院名誉院長。西洋医学だけでなく、さまざまな療法でがんに立ち向かい、人間をまるごととらえるホリスティック医学を提唱。「死を生きる」(朝日新聞出版)など多数の著書がある
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 西洋医学だけでなく、さまざまな療法でがんに立ち向かい、人間をまるごととらえるホリスティック医学を提唱する帯津良一(おびつ・りょういち)氏。死ぬまでボケない「健脳」養生法を説く。今回のテーマは「直観力」。

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【ポイント】
(1)流れを感じて戦略を立てるには直観が必要
(2)直感より直観の方がレベルが高い
(3)直観力を高めることが認知症の予防に

 ローマ時代の名医ガレノスに端を発し、19世紀後半のルイ・パスツールに至って頂点をきわめたのが、分析的な医学です。それに対して異を唱えたのはフランスの哲学者アンリ・ベルクソンでした。

 いくら分析を重ねてもそれだけでは、人間まるごとをつかむことはできない、そのためには直観が必要である、とベルクソンは言うのです。医療はエビデンスを伴った治療法=戦術を駆使することによって、治癒を手にしようとするものです。ただ闇雲に治療を重ねても効果は生まれません。多くの戦術を統合する戦略があってこそ効果が生まれるのです。

 大事なのは治療に対する戦略であり、この戦略を左右するのはつきつめていくと直観です。大河の流れは理屈ではなかなか感じ取ることができません。流れを感じて戦略を立てるには、ある種のセンスが必要です。それが直観なのです。

 医者だけでなく、患者さんも様々な選択を迫られます。手術をするのかしないのか、抗がん剤治療はどうするのか、どの病院で治療を受けたらいいのか、代替療法はどうするのか、といったことです。

 一番いい選択をするために、様々に情報を集めたり、信頼できる人に相談したりすると思います。しかし、それでも迷って悩みます。この悩むことが重要なのです。

 その結果、ぱっと直観が働いて、こうしようと決めることができます。

 直観とは内なるエネルギーが高まって、ある限界を超えた時に出てくるひらめきです。悩むことでエネルギーが高まるのです。直観は内なるエネルギーからのメッセージです。

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