もちもちした麺をのどに通す前に、スープを口に含んでみた。
「しょっぱい!うまい!」
歓喜である。チーズの濃厚な風味、そしてのどに残るスパイシー感。これは好みの味だ。
具材の肉は、弾力が物足りないが、香ばしさとしょっぱい味付けはハンバーガーのパテの特徴が出ている。
麺、スープ、具材と、それぞれおいしかったが、それを凌駕するのが濃厚なスープの存在感だ。
ハンバーガーの味を楽しむにはやや無理があるように思えた。だが、その濃厚さが拍車をかけて「くった……」という満足感を味わえるのは確かだ。
お次はフライドチキン味に挑戦。こちらも開封時の香りにやられた。
「フ、フライドチキンだ!」
フライドチキン味は香辛料のスパイシーな風味と香ばしさのあるチキンの風味を利かせたという。
お湯を入れ、カップの前でじっと待つこと3分。スープを一口飲んでみた。
「あれ?」
あまり特徴的な味がしない。香りはフライドチキンを彷彿とさせるが、味は香辛料のスパイシーさを少し感じるだけ。ハンバーガー味に比べればあっさりしている。麺は同じ幅広麺で、腹にずっしりとくる。
具材はフリーズドライのフライドチキン、コーン、赤ピーマン。チキンは食感や味ともにあまり”らしさ”は感じない。
だが、香りはフライドチキンそのもので、ついついかき込んでしまう。
ハンバーガー味はチーズ感が強い。むしろチーズバーガー味としてもいいのではないか、と思った。
フライドチキン味は、香りが完璧。次回食べるときはお湯を少なく注いでみよう!
いずれにせよ、物珍しさは裏切らなかった。一見ならぬ、”一食”の価値ありだ。(本誌・緒方麦)
※週刊朝日 オンライン限定記事