SNSで「売文で糊口をしのぐ大センセイ」と呼ばれるノンフィクション作家・山田清機さんの『週刊朝日』連載、『大センセイの大魂嘆(だいこんたん)!』。今回のテーマは「位山のUFO」。
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UFOの存在を信じるかどうかは、何かの試金石じゃないかという気がする。
若かりし頃、車に乗って目的地を定めない旅によく出かけた。行き先表示板が現れる度に、気になる地名の方向にハンドルを切る。宿は予約できないから、飛び込みで泊めてもらうか、車中泊をするのである。
そんな行き当たりばったりの旅をしていて、岐阜の山中に迷い込んでしまったことがあった。真っ暗な山の中で路肩に車を止めて寝るのは怖い。宿を探して日暮れの山道を走り回っていると、道端に「○×自然の家」という看板が見えた。
看板の案内に従って走ると、谷間(たにあい)の小さな村の小学校にたどり着いた。玄関の突き当たりに受付があって、老人が座っていた。廃校を宿泊施設として再利用しているらしい。