

うつ病を克服し、偏差値29から東大に合格。ベストセラー『偏差値29から東大に合格した私の超独学勉強法』の著者・杉山奈津子さんが、今や3歳児母。日々子育てに奮闘する中で見えてきた″なっちゃん流教育論”をお届けします。
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私が考える「最強の教育」は、失敗をおそれない子どもに育てるということです。一生のうちに1300もの発明品をつくったエジソンの、「私は失敗したことがない。ただ1万通りのうまくいかない方法を発見しただけだ」という言葉はあまりに有名です。薬を発見した歴史をみても、薬品を変え数値を変え、何度も何度も失敗を繰り返して作られたものばかりです。
4兄妹で東大理III(医学部)に入った佐藤亮子ママの子どもたちは、確かにすごいでしょう。ただ、私と同じ学年に七浪して理IIIに入った人がいて、私にとっては彼の方が「もっとすごい」と思えるのです。
はっきりいって、失敗のない人生なんてありません。問題は、失敗した後に起き上がれるかどうかです。七転び八起きということわざがありますが、何度転んでもまた立ち上がれるという生き方を本当に実践していける人間は、将来的に、生きていくうえで不可能なことがなくなるのではないかと思うのです。
私も、数学の偏差値で29をとっておきながら東大の理系を受験したときは、「よくそれで受けようと思ったね」と本当に大勢の人から言われました。受験前にも「無理だから違う大学を受けた方がいい」と学校から何度も止められました。でも私は、「もし落ちたって、また受ければ、いつかは必ず受かるじゃん」と思っていました(もちろんその年に合格する気満々でしたが)。つまり、「必ず自分は東大に合格する」という確信をもって受験勉強をしていたのです。
必ず合格できるのは、言うまでもないことですが私に限ったことではありません。何度か落ちることがあっても、受かるレベルまで勉強すれば、誰だっていつか東大に受かるわけです。大学の試験範囲は有限で、高校までの間に習ったことを使ってでしか出題できません。タイムリミットがあってたった一度しか受験できないとなれば話は少し変わりますが、現役に限らなければ、試験範囲全てを暗記して問題集で思考力を鍛えれば、どこの大学のどの学部だって入れると思います。