昨年7月に逮捕された森友学園の籠池前理事長と妻の諄子氏は、もう6カ月も勾留されたままです。国有地売買の一方の当事者は人権を無視した扱いを受ける一方、あなたやあなたの同僚は会計検査院から「値引きの十分な根拠が確認できない」と指摘されながら、何のお咎めもありません。

 旧大蔵省に入省が決まった1981年当時の雑誌のインタビューによれば、あなたは中学3年生のときに父親を亡くし、3人の兄が働いて学費を出してくれたとのこと。苦労し、志を持って官僚を目指したはずのあなたならば、森友疑惑で国会が紛糾し、来年度の予算審議が前に進まない事態は、本意ではないはずです。あるいは、「本当はつらい、辞めたい」と思っているのかもしれません。だとすれば、誰が辞任を許さないのでしょうか。敬具

(本誌・小泉耕平/西岡千史)

週刊朝日  2018年2月16日号