もちろん、財布やかばんなど価格が高いものも欲しくなる。伊東さんは大の洋服好きだ。ただ、欲しいものが出てきたときは、すぐに買う買わないを判断せず、まず手帳にそれを書き出す。そして、どうしても欲しいものには「◎」か「○」、そうでもないものは「△」、よく考えると不要なものは「×」印をつける。このメモを2カ月後に見直し、やっぱり◎と印がつけられるモノのみを買う。
冠婚葬祭など臨時出費があった場合は月ごとの家計管理とは別に記録。一年を振り返ってみて、毎年必ずかかるような臨時出費は、翌年から「経費」として、月の給料から出せるように年間予算として計上。帰省時の交通費、酒代、仕事上必要な交際費などがこれに含まれる。
こうした家計管理を続けるうち、衝動買いや無駄な出費が激減。コンスタントに貯金ができるようになったという。
「気付けば、家計管理はもはや趣味の域に。今はお金を使わないことに喜びを感じます」(同)
さて、ここで老後資金の算出について説明しておこう。老後資金の具体的な額を知ることは、いくら貯める必要があるのか、どれくらい節約すべきなのかが明らかになるからだ。ファイナンシャルプランナー(FP)の飯村久美さんは、現役世代も早めに、老後に必要なお金を把握すべきだと話す。
「特に50代は、老後に向けてやっと貯められるチャンス。老後資金は“夏休みの宿題”のようなもの。早めに取りかかるほど、ゆとりも生まれます」
(本誌・松岡かすみ)
※週刊朝日 2018年1月5-12日合併号より抜粋