室井佑月(むろい・ゆづき)/作家。1970年、青森県生まれ。「小説新潮」誌の「読者による性の小説」に入選し作家デビュー。テレビ・コメンテーターとしても活躍。自らの子育てを綴ったエッセー「息子ってヤツは」(毎日新聞出版)が発売中
室井佑月(むろい・ゆづき)/作家。1970年、青森県生まれ。「小説新潮」誌の「読者による性の小説」に入選し作家デビュー。テレビ・コメンテーターとしても活躍。自らの子育てを綴ったエッセー「息子ってヤツは」(毎日新聞出版)が発売中
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(c)小田原ドラゴン
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 今年は核・ミサイル開発、アメリカとの対立など北朝鮮をめぐるニュースが相次いだ。作家・室井佑月氏は経済産業省元幹部官僚・古賀茂明氏との対談でこう感じたという。

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 12月初旬は、濃くて面白い仕事がつづいた。一昨日は古賀茂明さんと、昨日は共産党の小池晃さんと対談。

 お二人と話をしていて、自分が現在、なにに対して仔のように怯えているのかわかったと思う。

 古賀さんとはメディアのあり方みたいな話をした。古賀さんといえば『I am not ABE』。3年ほど前、報道ステーションでそう書かれたボードを出した。そして、番組を降ろされた。

 あたしたちは当時のことを振り返った。

 安倍首相がエジプト訪問の際に「ISがもたらす脅威を少しでも食い止めるため、ISと闘う国々に2億ドルを出す」と表明した。日本人の後藤健二さんらが、ISに人質として拘束されているときに。

 この発言から日本もISに名指しで敵国扱いされるようになり、後藤さんらの解放は絶望的になった。

 当時のテレビでは、安倍さんの決断ってどうなの? そう発言しようものなら、「そういう発言はISを利するだけ」、この非国民が!みたいな感じ。そんな中での古賀さんの『I am not ABE』発言だった。

 古賀さんのなにが悪かったのか、今でもそう思う。そう考えている人は多いはずだが、古賀さんが番組を降ろされただけで、なんら世の中は変わらなかった。

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