
イマドキ20~30代の女子たちの関心は、ブランド品やきらびやかな生活よりも貯蓄。月々の手取りから食費まで家計簿をSNSでつまびらかにし、仲間と励まし合いながら節約に励む。その姿に悲愴感はなく、どこか楽しそうだ。そんな「円貯め(エンタメ)」世代の実態に迫った。
「目標を立てて、それを達成するために動くことが好き。貯金も楽しみながら続けています」
都内で働く会社員、坂田香さん(仮名・30歳・既婚・2人暮らし)は、社会人1年目からの5年間で1千万円を貯めた。貯蓄を始めた当時の手取りは、月25万円前後。その中から、月々10万~15万円とボーナスを貯金に回し、コツコツと貯めた。
坂田さんが23歳のころから足しげく通うのが、ワイズアカデミー(東京・渋谷)が運営する、お金の貯め方や投資について勉強する「富女子会」。会の目標はズバリ、預金残高を5年で1千万円にすること。現在の会員数は約250人。入会金1万円、年会費1万円で、東京、大阪、山口を拠点に、20代後半~30代の女性が集まる。職業は会社員や公務員、フリーランスなどさまざまで、多くは年収が500万円以下だ。
入会すると、まず、現在の預金残高を元に、1千万円達成のための貯蓄計画を作成。勤務先から年収、月々の生活費の内訳、現在の貯蓄額、人生設計など経済状況を全てオープンにすることが求められる。さらに、5年の貯蓄計画は、会の参加者全員にコピーして配られ、講師や先輩らが厳しくチェックする。
「交際費を使いすぎじゃない?」「ボーナス月はもっと貯められるでしょ」
計画表に“甘え”が見られたり、曖昧な点があれば、同世代の“先輩”が即ツッコミ。生半可な姿勢では、“普通の女子”が5年で1千万円貯めるなんて夢のまた夢だから、参加者全員が一緒になって意見を言い合い、それぞれの具体的な貯蓄法を考える。
「そりゃ、最初はさすがに引きましたよ」