都内でウェブデザイナーとして働く山本美加さん(仮名/34歳・独身・一人暮らし)は、今年1月の入会時を振り返りながらこう笑う。

 山本さんは、会で同世代の参加者らと、お互いの経済状況について話すうちに、勤務時間や内容に対して、自分の年収が低いことを痛感。「このままでは良くない」と一念発起して転職を決め、年収アップを実現させたばかりだ。転職前は月々5万円だった貯蓄額は、10万円へと倍増した。

 着実に貯蓄を殖やしている山本さんだが、入会するまで給料のほとんどは、服や化粧品、雑貨などで消えていた。

お金教育なんて学校で受けていないし、恥ずかしくて周囲の人とも話せない。だから賢いお金の使い方って何だろうとずっと思っていました」

 富女子会に入会してからは、5年で1千万円という目標達成のために家計簿をつけ、お金の流れを把握することからスタート。毎月のように買っていた服も、入会してからは一切買っていない。食費も極力抑えるため、月1万5千円の予算で自炊するよう心がけるという徹底ぶりだ。

「買う前に、本当に自分に必要かどうかを考え抜くようになって、これまで“欲しいもの”と“必要なもの”を混同していたことに気づきました。無駄遣いとはこういうことかと目からウロコ。お金について、とことんぶっちゃけて話せる場があったからこそ、転職もできたし、貯蓄もしっかりできるようになった。今ではなくてはならない、大切な場所です」

 会に入会して7年目という木村幸枝さん(仮名・28歳・独身・一人暮らし)は、6年かけて1千万円の貯蓄に成功した。職業は保育士。月々の給料は手取り20万円前後で、その中から5万円を、“ないもの”と考えてボーナスと合わせて貯金してきた。だが、それでは目標達成が不可能だとわかると、勤務後から終電までの時間、キャバクラで働いて、月30万円を稼いで貯金に回したという。

「貯金途中の同世代と、励まし合いながら貯金できる。みんながいるから貯められるんだと思います」

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