「足腰に負担がかかるエアロビクスと違い、トランポリンが体重の負荷を吸収する。だから、高齢者も安心です。腰の曲がった人も、トランポリンの上で歩きだすと、元に戻そうとする力が働いて姿勢が正されるのです」

 日本トランポビクス協会理事長の澁谷房子さん(62)は「年齢問わず楽しめ、体に優しい有酸素運動。血圧や中性脂肪が高い人、ひざや関節が悪い人も続けています」と話す。跳ぶのでなく、歩くのがよいという。

 最近は、家庭で楽しめるトランポリンも人気だ。

 楽天によれば、トランポリン関連商品の販売数はここ3年で約3倍に増えた。購買層は30代半ば前後の女性が多く、クリスマスプレゼントなどにもなる。

 アマゾンジャパンは、トランポリンエクササイズの特設ページを1月に開設。跳び方やエクササイズ法を公開している。

 家庭用は直径100センチほどで、それほど広いスペースがなくても置ける。価格は5千円以下が多く、折り畳み式もある。

 金沢星稜大学人間科学部スポーツ学科准教授の齊藤陽子さんは「トランポリン運動の強度を決めるのは跳ぶ高さのため、競技用トランポリンと家庭用ミニトランポリンで行う運動は、強度や運動量が違ってくる」と指摘。「普通に歩くより楽しく、下半身への衝撃が少ない。ミニトランポリンはそれほど価格が高くなく、気軽に始められ、けがのリスクも少ない。高齢者がミニトランポリンで14週間トレーニングした結果、転んだ際のバランス回復能力が向上したとの研究発表もあります」という。

 まずは家庭用で試してはどうだろうか。

週刊朝日  2017年8月4日号

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