夫:言い争いになるのも、台所関係が多い。激しいけんかをしたのは、この人がベビーシッターさんと2人で夕方から台所で飲んでいた時期。こっちは仕事部屋でメシはまだかとイライラしながら待っているのに。ある日ブチ切れて、「外で食べてくる」って言ったら、伊藤もブチ切れて、しゃもじを床にたたきつけて割ったんです。
妻:ああ、割った、割った!
夫:ご飯つくりながら飲むならまだわかるけど、乾き物とか出して「お疲れさん」って本気で飲み始めるから、いいかげんにしろと。
妻:吉田さん、あのときすごかったもんね。「俺はパンツ一丁で部屋をウロウロしたいんだ! 風呂入りてえんだ! もう(パンツ脱いで)出すぞ!」って。以来、シッターさんは6時半には帰ってもらっています。
――最近は、子育てのネタを取り合うことが減り、平穏な日々を過ごしている。
夫:僕の『まんが親』シリーズが終わったから、育児ネタの取り合いもなくなって、生活はだいぶ落ち着いてきました。最近、娘が漫画を読むようになったので、僕らの漫画を読んでいたときは、「まだ早い!」と止めましたけど。
妻:もっと面白い漫画を与えたんです。
夫:最初、サザエさんを読ませたら、いろいろ質問してくるんですよ。意外と浮気や離婚ネタが多いので。漫画のサザエさんは毒があるなと思って、藤子・F・不二雄先生の、オバQやパーマンとか、ドラえもんとか、基本の作品を読ませてます。手塚治虫先生の漫画とかも一通り読んでからじゃないと、俺らの漫画なんか読んじゃダメだよと。
妻:両親が漫画を描いてることはわかっていて、「今の漫画に描く?」って聞いてきますけど。
夫:初婚のときの娘とも、年に数回は会ってます。よく下の娘と遊んでくれますしね。
妻:最初の奥さんが、娘さんを快く送り出してくれるのもうれしい。
夫:伊藤が20歳前後のころから知っていますから。
妻:私のこと、「理佐」って呼んでくれるんですよ。本当にありがたいです。
※週刊朝日 2017年7月14日号より抜粋