吉田戦車(右)、伊藤理佐夫妻(撮影/写真部・小原雄輝)
吉田戦車(右)、伊藤理佐夫妻(撮影/写真部・小原雄輝)
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 人気ギャグ漫画家の夫・吉田戦車と妻・伊藤理佐が、バツイチ同士で再婚したのは10年ほど前。それまでは飲み友だちで、互いの元パートナーも知る仲だった。結婚を決めた理由も、やはり面白いかどうかがポイントだったよう。2人の馴れ初めに迫る。

*  *  *

妻:20歳前から吉田さんとは知り合いで、23歳で結婚したときは披露宴でスピーチしてもらったよね。

夫:何を話したか、全然覚えてないけど。あのころは、漫画家仲間との集まりが多くて、ときどき一緒に飲んでた。

妻:吉田さんから家族の年賀状をもらったりして、20年ぐらいは友だち付き合いが続いてたかな。最初の結婚はいつだったっけ?

夫:26歳ごろ。

妻:奥さんも子どももいたから、当時はもちろん恋愛感情ゼロでした。

夫:しかも、伊藤が結婚してから自分が離婚するまで、15年ぐらいはほとんど会ってない。

――友人から恋人へきっかけは空揚げ。

妻:出版パーティーでたまに見かけて、「なんて太ったの!」とか「なんて普段着なの!」って話しかけたことはあったけど。久しぶりにちゃんと会ったのは、二ノ宮知子さんの『のだめカンタービレ』が講談社漫画賞をとったときのパーティー。席が隣になって空揚げを食べたんだよね。そしたら吉田さんが、「なあ理佐、肉ってうめえなぁ」って言ったんです。「元気?」とか「仕事どう?」とかじゃなくて。それがすごく良くて「格好いい!」って大騒ぎしたら、周りからもはやし立てられて。

夫:多分、しゃべることがなかったんだよ。

妻:その後、ミクシィでやりとりするようになってから、私はもう付き合う気満々でした(笑)。

夫:それで、「一緒にメシでも食うか」と。でもまだタイミングじゃなかった。

妻:結局、付き合い始めたのは、空揚げから2年ぐらいたったころかな。

夫:僕は根が暗いし、一人暮らしになって精神状態も荒れていたから、伊藤の明るい性格に救われたところはあります。

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